《宝性論》(読み)ほうしょうろん

世界大百科事典(旧版)内の《宝性論》の言及

【如来蔵説】より

…すべての人々は,如来を胎児として蔵しているという意味である。 この思想は,《如来蔵経》に始まり,《不増不減経(ふぞうふげんきよう)》や《勝鬘経(しようまんぎよう)》によって継承され,《宝性論(ほうしようろん)》にいたって組織体系化された。また,《涅槃経(ねはんぎよう)》(大乗)では,とくに〈仏性〉という語が用いられ,この思想が展開されている。…

【仏教】より

… 大乗経典の作成はナーガールジュナ以後もなお続き,その中で《如来蔵経(によらいぞうきよう)》《勝鬘経(しようまんぎよう)》《涅槃経(ねはんぎよう)》などの如来蔵説や,《解深密経(げじんみつきよう)》《瑜伽師地論(ゆがしじろん)》などに伝承された唯識説が新しい主張として説かれた。前者は《法華経》の一乗思想をうけて,すべての衆生に成仏の可能性(如来蔵,仏性)のあること(一切衆生悉有仏性)を主張するもので,後に《宝性論(ほうしようろん)》や《大乗起信論(だいじようきしんろん)》によって祖述された。後者は有部あるいは経量部と近い関係にある瑜伽師(ゆがし)(ヨーガーチャーラYogācāra)の一派から生まれた学説で,われわれの認識するいっさいの存在はすべて識(すなわち心)にほかならないと主張する。…

※「《宝性論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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