《宝簡集》(読み)ほうかんしゅう

世界大百科事典(旧版)内の《宝簡集》の言及

【高野山文書】より

…高野山金剛峯寺ならびに山内の各子院に伝来した古文書の総称。このうち最も重要なものが宝簡集,続宝簡集,又続(ゆうぞく)宝簡集と呼ばれる文書群で,宝簡集54巻692通,続宝簡集77巻・6帖831通,又続宝簡集167巻・9帖1979通からなっている。これらは,御影堂宝庫に納められていた古文書のうちから江戸時代に主要なものを選び出して順次成巻(成帖)されたもので,巻子の表装はまちまちであるが,なかには豊臣秀吉の高野詣の際に演じられた能の衣装の裂地を使用したと伝える優美なものもある。…

【金剛峯寺】より

…文書においては,南都春日版に刺激されて建長(1249‐56)ころから始まった経典出版は高野山を印刷文化の一大根拠地となし,高野山の真言教学を一層進させ,文書類の保存整理も始められた。《宝簡集》521巻(正・続・又続)は平安時代876年から江戸時代1743年に至る約870年間の文書を集成した,高野山の歴史研究に欠かせない重要史料である。室町時代以降は高野聖によって地方に高野信仰がひろげられ,地方武士との交渉を示す浅井長政像(持明院)などの肖像画を残すほか,水墨山水図襖絵・直庵筆鶏図屛風一双(宝亀院),南画の大成者池大雅筆の襖絵山水人物図10面(遍照光院)などがある。…

※「《宝簡集》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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