世界大百科事典(旧版)内の実験心理学的美学の言及
【美学】より
…以後19世紀後半は実証主義尊重の思潮のなかで美学も科学的美学の姿をみせたといえる。心理学の応用領域の一つとなった美学は実験心理学的美学をひらき,他方内省分析を重視する立場はT.リップス,フォルケルトの感情移入美学を生んだが,後者はのちに深化して哲学への接近をつよめ,はては現象学へとつながってゆく。また美的体験には個人をこえる時間的・空間的規定も加わるものであり,これを重視する立場から芸術の社会学的研究がはじまったが,マルクス主義の芸術研究もこの系譜にかぞえてよかろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」