世界大百科事典(旧版)内の宮川満の言及
【太閤検地】より
…問題提起者である安良城(あらき)盛昭は,太閤検地以前の社会を家父長的奴隷制と規定し,太閤検地によって小農民経営が自立する契機がつくられ,中世末期の複雑な土地所有関係を領主・農奴という基本的な階級関係に整理した革命的な土地政策として,その意義を高く評価した。これに対して宮川満は,太閤検地が小農民自立に果たした役割を認めつつも,村落支配者層の特権を容認するような妥協的側面も強かったことを指摘し,相対的革新策であると主張した。後藤陽一は,すでに自立を達成している農民を中心とする村落共同体が,太閤検地を契機に年貢村請(むらうけ)制の主体となった事実を強調した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」