家庭映画(読み)かていえいが

世界大百科事典(旧版)内の家庭映画の言及

【小型映画】より

…これはアメリカのコダック社の規格がフランスのパテー社をしのいで世界の小型映画市場を掌握した結果であり,一方,業界の規格統一の動きの中で65年富士写真フイルムが〈シングル8〉システム(コダック社のスーパー8システムとフィルムのサイズは同じだが,いくつかの特性が加わり,より初心者向けで,より安価であった)を開発し世界市場進出を果たしたことは,日本国内により広範なアマチュア映画作家を開拓するきっかけになった。 1923年,コダック社がエジソンと組んで16ミリフイルムを実用化し,アメリカの若い母親たちが,遊んでいるわが子を手回しで撮影したのが〈家庭映画〉(ホームムービー)の始まりであったとすれば,このようなホーム(家庭)をターゲットとしたコダック社の企業ポリシーが,より小型でより安価な機材とフィルム(8ミリ)を開発し,アマチュアの支持を勝ち得たのは当然のなりゆきであった。 こうしてだれにでも撮れる映画として出発した小型映画であったが,結局,独自のメディア論を確立することもなく,あくまでも〈映画のようなもの〉にとどまった一面があり,その意味でさらに〈家庭的な〉媒体として簡易で経済的で家族全部が楽しめるホームビデオの開発によって,必然的にとって代わられる運命にあったといえよう。…

※「家庭映画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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