富士曼荼羅(読み)ふじまんだら

世界大百科事典(旧版)内の富士曼荼羅の言及

【富士山】より

…【高取 正男】 富士山の信仰には,山岳信仰全体からみても特色あるいくつかの点を指摘することができる。多くの雲霞で仕切り,駿河湾と東海道を描く下段,浅間神社を中心とする中段,富士山を中心とした上段との3段に分けて描かれた〈富士曼荼羅〉や,一切経埋納習俗などもその一つであるが,なかでも特筆すべき点は,角行(かくぎよう)(画行,書行とも),食行身禄(じきぎようみろく)(1671‐1733)の系譜に属する富士講が,近世中・後期に爆発的に隆盛し,それによって初めて富士山信仰の統一がはかられるような様相を呈したことであろう。そのために古代・中世に富士山信仰のなかで大きな比重を占めていた仏教的要素,修験道的要素は,近世期に新たな修験道と称してもよい富士講のなかに集約されてしまい,今日の富士山信仰にほとんど伝えられていないことも特色の一つといえよう。…

※「富士曼荼羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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