朝日日本歴史人物事典 「川田琴卿」の解説
川田琴卿
生年:貞享1.4.28(1684.6.11)
江戸時代中期の漢学者。江戸の人。名は資深,字は君淵,通称は半太夫。琴卿,雄琴と号す。初め梁田蛻巌に学び,のちに三輪執斎に師事して陽明学を修めた。越後流兵学にも通じていたという。享保17(1732)年,師執斎の推薦により,伊予(愛媛県)大洲藩儒となる。師没後江戸下谷にあった執斎の明倫堂を大洲に移して藩校とし,教学の復興に努めた。延享4(1747)年には,中江藤樹100年忌祭をとり行い,藤樹の遺徳を宣揚したほか,領内を遊説して,孝子節婦を選び『大洲好人録』5巻を著して,庶民教化に尽くした。
(高橋昌彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報