世界大百科事典(旧版)内の工房作の言及
【偽作】より
…たとえば,オランダのハンス・ファン・メーヘレンの偽造したフェルメールの《エマオの巡礼》(1937年ロッテルダムのボイマンス美術館に購入され,その判明は1945年)や,近年では,エルミール・ド・オルリによって偽造され,フェルナン・ルグロによって転売されたメドー・コレクションの大量の近代美術の作品などはこの例である。他方,画家たちが古典探究の目的でコピー(模倣)した作品,工房作(工房),あるいは他の画家の真正の作品などが,誤解もしくは故意によって,真作として流通する場合も少なくない。たとえば,A.R.メングスは古代へのみずからの傾倒と鑑識のほどを示すために《ユピテルとガニュメデス》を古代の絵画として制作したが,これにはウィンケルマンすらも惑わされている。…
【工房】より
…親方の作品のレプリカ(複製)作りも,修業の一環であり,工房活動の重要な部分を占めている。工房によるレプリカ,および親方の構想に基づくが実現は工房の手になる作品は〈工房作studio work〉と呼ばれる。工房作は多かれ少なかれ親方の加筆修正を受け,親方の作品として売買された。…
※「工房作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」