世界大百科事典(旧版)内の《平原児》の言及
【大平原】より
…スペクタクル映画の巨匠セシル・B.デミル監督の西部劇で,ジョン・フォード監督《アイアン・ホース》(1924)に次いで大陸横断鉄道建設を主題にした大作。1930年代後期のアメリカでは国民精神の鼓舞を意図した伝記映画が流行したが,デミルは西部開拓史の伝説的ヒーロー,ワイルド・ビル・ヒコックを主人公にした《平原児》(1937)につづいて,開拓時代の苦難を克服する建国精神を謳歌したこの作品をつくり,ユニオン・パシフィック鉄道の社長W.ジェファーズの全面的な協力をえて,徹底的な資料調査にもとづいてシナリオを書き上げた。ナバホ・インディアンやシャイアン族を撮影現場へ集めて撮影し,インディアンの列車襲撃,雪の渓谷を走る列車の転落事故,強盗事件と夜の大平原での追跡,大乱闘等々,はでな見せ場の連続で,興行的にも大ヒットしたが,西部開拓史のとらえ方が疑問視され,映画史では無視されていることが多い。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」