平民名(読み)へいみんみょう

世界大百科事典(旧版)内の平民名の言及

【平民】より

…寛徳・延久の荘園整理令(1045,69)は公民の荘民化について,〈平民おのれを顧みる者〉とか〈恣(ほしいまま)に平民を駈(か)り〉と述べ,また荘園側も〈平民に準じて方々色々の雑役を充て責める〉,荘民は〈平民公田の負名ではない〉と反論したことにみられるように,当時の平民は荘民と区別された公民を意味した。平安末・鎌倉初期に中世荘園体制が確立すると,荘園の名主(みようしゆ)百姓が平民と呼ばれ,荘田を分割・編成した名田も〈平民名(へいみんみよう)〉と称せられた例がある。これに対して,平民である名主百姓の負担する年貢・公事(くじ)等を免除される特権を有し,諸種の職能をもって本所(ほんじよ)に奉仕する〈職人〉は平民と異なる身分とされ,また在地領主や有力名主に人身的に隷属した下人・所従ら非自由民も,平民とはみなされなかった。…

※「平民名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android