平衡点(読み)へいこうてん

世界大百科事典(旧版)内の平衡点の言及

【安定性】より

…これはエンジンの回転速度を一定に保つための装置であり,蒸気弁の開度を調整する一種のフィードバック制御装置であった。この調速機とエンジンから成るシステムの運動を微分方程式で記述すると,目標となる一定の回転速度はその微分方程式の平衡解を与えていることがわかる(微分方程式の解で,時間によらず一定値をとる解が存在するとき,それを平衡解あるいは平衡点という)。さて,なんらかの原因で回転速度が少しずれても,その後外乱が加わらないかぎり,フィードバック機構のおかげでそのずれが時間の経過とともに修正され,やがてエンジンの回転速度は目標の速度に落ち着くことができれば,システムは安定であるといえよう。…

【平衡】より

…これがてんびんによる質量測定の手段であるが,その理由を力学上の原理に求めるならば,〈質点系の各部分に働く力によって生ずべき各質点の変位に対し,この力がなす仕事の総和が0に保たれるような配置がこの質点系の静止の位置を決める〉という仮想仕事の原理がそれに相当する(仮想変位の原理)。このように,運動しうる力学的体系が時間的に変化を受けない持続状態にあることを平衡またはつりあいといい,空間(あるいは相空間)におけるその静止位置をこの力学系の平衡点と呼ぶ。ニュートンの法則に従う力学系では,平衡は上述のように仮想仕事の原理によって定められるものであるが,この平衡の概念は物理学上もっと広範囲に用いられている。…

【力学系】より

Xの各点xに対し,{φt(x)|-∞<t<∞}をxを通る軌道という。とくに1点となる軌道を特異点または平衡点といい,閉曲線となる軌道を周期軌道という。力学系の理論では,特異点や周期軌道の存在,t→+∞またはt→-∞のときの軌道の挙動,軌道の大域的状態の小さな摂動による変化などがトポロジーの立場から研究される。…

※「平衡点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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