世界大百科事典(旧版)内の平都山の言及
【羅鄷】より
…死者がその死後まず羅鄷に行くという説は両晋のころより,主として道教文献に見えはじめ,陶弘景の《真誥(しんこう)》がその地理的・官僚的組織を詳細に記述する。これら六朝の文献では世界の北方の果ての神話的な場所に位置するとしているのであるが,北宋ごろより四川省忠州の平都山に鄷都地獄があるとする信仰が広まり,最近まで道教と民間信仰とが混交した宗教活動がその地で行われていた。この鄷都地獄の説の文学への反映は,たとえば《古今小説》所収の胡母迪(こぼてき)の物語にも見え,そこにはこの地獄の組織や内部の情景の詳しい記述がある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」