世界大百科事典(旧版)内の平駄船の言及
【阿武隈川】より
…福島県東部から宮城県南部を流れる川。白河市西方にある三本槍岳(1917m)東斜面に発し,奥羽山脈と阿武隈高地の間を北流,福島盆地北東隅から阿武隈高地北部を峡谷をなして北東流し,宮城県亘理(わたり)郡亘理町荒浜で仙台湾に注ぐ。幹川流路延長239kmは東北では北上川に次いで第2位,全流域面積5400km2は北上川,最上川に次いで第3位の大河川である。阿武隈川は,北上川とともに東北地方太平洋側の二大縦谷を形成するが,流路のこう配は平均して北上川よりも大きく,またいくつかの盆地間には峡谷部や遷急点がある。…
【高瀬舟】より
…古代以来,河川を主にして使われた喫水の浅い平底の小船で,湖沼や海辺でも用いられた。おもに渡船,輸送船であったが,平安貴族の間では,遊び船としても盛んに用いられた。高瀬舟と類似したものに平駄(ひらた)舟があり,両者の区別は必ずしも明らかでないが,平安後期の12世紀前期に北九州遠賀(おんが)川で,上流荘園の年貢米を運んでいた平駄舟の積載量は14石前後であった。鎌倉時代,中国地方の高梁(たかはし)川を上下して,東寺領備中(岡山県)新見(にいみ)荘その他の年貢米を運んだ高瀬舟はせいぜい5石積み程度であった。…
※「平駄船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」