世界大百科事典(旧版)内の底抜けコンビの言及
【喜劇映画】より
…その筆頭は〈マルクス兄弟〉で,不況の世相を反映した,アナーキーで攻撃的なナンセンス・ギャグの数々は,公開当時はむしろ人々を当惑させたといわれるが,代表作《我輩はカモである》(1933)をはじめとするマルクス喜劇は近年見直され,その狂気じみたギャグの連続によって,若い観客の伝説的存在となっている。続く40年代の〈凸凹コンビ〉のバッド・アボット=ルウ・コステロ,50年代の〈底抜けコンビ〉のディーン・マーチン=ジェリー・ルイスは,いずれも初期に軍隊ものを作って人気を博したこと,また三枚目のほう(コステロやルイス)のイメージが幼児的であることにおいて共通している。太ったコステロは愛らしいが,寄目をして奇声を上げ,内股(うちまた)歩きをするルイスが大受けしたところに,第2次大戦後の(とくにアメリカの)観客の嗜好がうかがえる。…
※「底抜けコンビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」