世界大百科事典(旧版)内の座敷鷹の言及
【クモ(蜘蛛)】より
…西鶴の《好色一代男》(1682)巻四〈夢の太刀風〉に,〈今江戸にはやる蠅取蜘を仕入〉と見えるように延宝(1673‐81)ころからはやったもので,2人差向いに座って左右から同時にハエのいるところへ差し向け,はやくとったほうを勝ちとするものであった。当時,ハエトリグモは座敷鷹と美称され,よくとぶものはきわめて高価に取引され,持主はそれを蒔絵をほどこした唐木細工の箱などで飼ったと,柳亭種彦の《足薪翁記》に見える。〈世にめづらしきもてあそびもありける〉と柳原紀光は書いているが,蜘蛛合せへの熱狂はしだいに賭博性を強めてさまざまな弊害を生み,やがて一般に禁制されるようになった。…
※「座敷鷹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」