世界大百科事典(旧版)内の建設都市の言及
【都市】より
…その場合は,前述の司教都市におけるように市民が暴動などによって自治権を獲得するのでなく,逆に領主の側から,初めから広範な自治を認める旨の建設特許状を市民に与え,これを条件に急速に各地からの移住を求めるという方法がとられた。このような都市を建設都市といい,西南ドイツのツェーリンガー家の建設にかかるフライブルク・イム・ブライスガウ,ロットワイル,ベルン,ノイエンブルク,ザクセンのハインリヒ獅子公によって建設されたリューベック,ミュンヘン,ブラウンシュワイク等々は,その最も早期の事例である。 こうして13世紀に入ると,西ヨーロッパの全域では,古い司教都市,新しい建設都市,その他種々の起源に発する都市の区別が薄れ,ほとんどの都市の法制が,都市法の伝播という現象を介して相互に影響し合い,それぞれの政治権力との関係に若干の差があったとはいえ,おおむね類似した自治的共同体となり,貴族,聖職者,農民という3身分のほかに,〈市民〉という新しい身分が,はっきりと封建社会の中に位置づけられることとなった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」