世界大百科事典(旧版)内の弦売の言及
【つるめそ】より
…また,京都での葬礼に関する権益を保持して布施を得たことも知られている。江戸時代の文献では,犬神人,弦売僧,弦女曾,弦練作,弦召などと漢字表記されたが,犬神人を〈つるめそ〉と訓読した例は中世の文献にはみあたらず,沓(くつ)(履物)とあわせて弓弦(ゆんづる)の製造・行商で生計をたてていたことから,〈弦召そう〉という売声が人々の耳になじみ,それが犬神人の別称となって江戸時代に入って定着したものと推察される。《七十一番職人歌合》の十六番に登場する犬神人は路上に座して弦を商い,〈つるうり(弦売)〉と呼ばれ,〈つるめし候へ〉と売声を発している。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」