世界大百科事典(旧版)内の形式的で非合理的法思考の言及
【裁判】より
…一般に,このような神意裁判は,儀礼的手続によって神を呼び出すという観念に基づいていたため,当事者が定まった文言を誤りなく述べなければ敗訴とされる(そのため代弁人が用いられたことが,弁護士の一つの起源とされる)というように,厳格な形式主義に支配されることが多かった。 神意によって法的判断に到達する上述のような超自然的な方法を,M.ウェーバーは形式的で非合理的法思考と呼んだ。それは,事件の内容に対して直接に人間の判断力を働かせるのではなく,それとは別のなんらかの定まった型が現れるか否かによって結論が決せられるという意味で形式的であり,また判決が人知の及ばないしかたで下されているので,その内容が事件の内容に即さず,一般的な原理によって説明しえないものであるという意味で非合理的である。…
※「形式的で非合理的法思考」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」