彦根三湊(読み)ひこねさんそう

世界大百科事典(旧版)内の彦根三湊の言及

【近江国】より


[水運,陸運]
 北国筋の藩米,特産物は寛永年間には越前国敦賀や小浜港に荷揚げされ,山越え荷駄により湖北の海津,塩津,大浦の諸浦に運送され,これらの地より琵琶湖の舟運で大津に回送されていたが,1672年(寛文12)西廻航路の開発で湖上運送は激減した。彦根藩は藩初に松原,米原,長浜のいわゆる彦根三湊を開き,18世紀以降には藩内外の貨客を大津へ回送した。大津には秀吉時代,湖上運送の独占を認めていた大津百艘船があったが,湖上運送の権利をめぐって大津と彦根三湊間,あるいは三湊の間で論争が起こった。…

【長浜[市]】より

…長浜町は彦根奉行の支配下に置かれたが,町の機構はそのまま残され,95年(元禄8)には戸数1084戸,人口4723人を数え,町数は享保年間(1716‐36)52ヵ町あった。町は北国街道の宿駅であり,また長浜湊は松原(彦根),米原とともに彦根三湊の一つとして湖上交通や漁業の要港であった。後背地の湖北農村は,早くから養蚕・製糸が副業として行われたが,近世中期には長浜町を中心として浜縮緬,浜蚊帳の特産地およびその市場を形成して発達した。…

※「彦根三湊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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