世界大百科事典(旧版)内の律令地方官制の言及
【律令制】より
… 次に京師には,朱雀大路を挟んで東側に左京職(被官は東市司),西側に右京職(被管は西市司)が置かれ,左右京内の政務一般をつかさどったが,左右京それぞれの各条には京職の雑任である坊令1人が任ぜられ,さらに条内の各坊ごとに白丁の坊長1人が置かれて京内戸口の把握や調・雑徭の催駆にあたった。 律令地方官制は一般に国,郡,里(のち郷と改称)の3段階の行政組織に編成され,それぞれ国司,郡司,里長が置かれたが,そのほか地域によっては難波津を管する摂津職(ただし,793年(延暦12)廃されて摂津国となる),西海道の行政と辺防・外交事務のことにあたる大宰府(だざいふ)などの特殊な官司が置かれていた。これらの官司の官人と同様,国司もまた中央官人が交替で赴任する官で,諸国に設けられた国府にあって地方社会の統治に臨んだ。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」