世界大百科事典(旧版)内の心理物理同型論の言及
【知覚】より
…例えばウェルトハイマーが1912年に発見した仮現運動の場合は,少し離れた2個の光点が順番に提示されると,静止した別々の光点には見えず一つの光点が動いているという運動印象だけが得られる。ケーラーは,あらゆる知覚現象には必ずそれに対応する脳の生理的過程があるという心理物理同型論psychophysical isomorphismの立場から,仮現運動が実際の運動と等しい生理過程を大脳皮質にひき起こすのであろうと考えた。最近の神経生理学的研究によると,実際にネコやサルの視覚野とその周辺で記録される運動感受性細胞は,連続的な運動だけでなく仮現運動にもよく反応する。…
※「心理物理同型論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」