応安の大法(読み)おうあんのたいほう

世界大百科事典(旧版)内の応安の大法の言及

【荘園】より

…鎌倉幕府滅亡後の建武新政で,後醍醐天皇は地頭支配下の田地の年貢の20分の1を徴収,これをさらに徹底しようとするが失敗,南北朝動乱の中で一円領化はさらに進行するが,本所一円地の荘官も戦乱にまきこまれ,その闕所(けつしよ)地を通して守護被官の力が荘内に浸透し,さらに半済によって半済給人が入部するなど,本所領は大きく侵害されるにいたった。これに対する寺社本所側の反発にも対応して,室町幕府は1368年(正平23∥応安1)いわゆる応安半済令(応安の大法)を発し,天皇や院の料所,摂関家領,寺社一円の仏神領については半済を停止,とくに仏神領の保護を明確にするとともに,一般の本所領や人給領については半済を下地まで及ぼして(半済方)一円化をさらに徹底させ,地頭職など武家領に対しては守護を通じて軍役を賦課する体制を整えた。これによって天皇家・摂関家領および寺社領(仏神領),一般公家領,武家領の区分が一応安定したが,東国についてはごく一部が西国の荘園と相博(そうはく)されたにとどまり,動乱の終わるころには上分のみの伊勢神宮領などがわずかにみられるのみで,鎌倉や東国諸国の有力な寺社領と武家一円領で占められるようになった。…

※「応安の大法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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