世界大百科事典(旧版)内の《怠ける権利》の言及
【レクリエーション】より
… 他方,資本主義の生み出した単調かつ長時間にわたる非人間的な労働に対して,労働時間の制限や労働環境の改善を求める運動がくり返され,そのなかから〈余暇権〉の思想が生まれた。マルクスの娘婿P.ラファルグの《怠ける権利》(1883)はその先駆的な主張だが,それはしだいに現実化して,労働時間短縮とレクリエーション条件の整備が進められていく。その成果は1919年に結成された国際労働機関(ILO)の諸条約に結実し,29年のILO第6回総会は〈労働者の余暇とレクリエーションに関する勧告〉を採択して,余暇をもちレクリエーションを楽しむことが勤労者に不可欠であることを宣言した。…
【レジャー】より
…レジャー論がすぐに体制論および基本的な人間像の問題に転化していく根拠はそこにあるといえよう。 そうした意味で現在のレジャー論の直接の起点となるものは,マルクスの娘婿P.ラファルグのパンフレット《怠ける権利Le Droit à la paresse》(1883),レジャーの配分様式を一つの軸に独特な経済・社会理論を築いたT.B.ベブレンの《有閑階級論The Theory of Leisure Class》(1899)あたりであろう。アメリカ,西ヨーロッパなどの資本主義先進諸国でだれの目にも明らかなレジャーの大衆化現象がおこるのは,ニューディール政策,人民戦線などの構造変化を画期とする1930年代以降のことである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」