怪談劇(読み)かいだんげき

世界大百科事典(旧版)内の怪談劇の言及

【東海道四谷怪談】より

… 《忠臣蔵》の世界を転倒,解体させながら,巷説の,四谷左門町に住んでいた田宮の娘お岩の怨霊話や,密通した男女が戸板の裏表に釘付けされ神田川に流された話や,隠亡堀に心中者の男女の死体が流れたのを鰻搔きが引きあげた話などを取り込んでいるが,南北自身の先行作品《彩入御伽艸(いろえいりおとぎぞうし)》《阿国御前化粧鏡(けしようのすがたみ)》《謎帯一寸(なぞのおびちよつと)徳兵衛》《法懸松(けさかけまつ)成田利剣》などをふまえている。怪談劇の傑作であるが,たんなる加害(悪)・被害(善)の関係で構想された怪談劇ではない。お岩はグロテスクな顔になると同時に被害者から心のねじけた加害者に転化し,観客に恐怖とともに嫌悪感も与える。…

※「怪談劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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