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想像界 そうぞうかいl'imaginaire(仏)

知恵蔵の解説

想像界

フランスの精神分析家ラカンは、人間の生きる世界を「想像界」「象徴界」「現実界」の3つのモデルでとらえた。ラカンによれば、人間は最初ばらばらの身体イメージしかないのだが、鏡に映る像を自分と思うことで自分のイメージを作りあげる。これは鏡像段階と呼ばれる。また、これは自分と目の前にいる他者(母親)との直接的な同一視の段階でもある。この同一視に基づく世界が「想像界」である。しかし、自分と他者とを直接に同一視すれば、相手が自分の意のままにならないため、他者への攻撃性も生まれる。この問題を乗り越えるために、人間は二者関係の「想像界」から三者以上の関係の世界である「象徴界」に入らねばならない、とラカンはいう。「象徴界」とは、直接は言語の世界を意味するが、広い意味で社会規範の世界を含む。人間的な関係の世界は二者関係から社会的な関係へ進まねばならない、とするのだ。だが、ラカンは精神病患者の言動のうちに「象徴界」をはみ出すものを見る。この、私たちの現実の言葉や社会の秩序に収まらない無秩序な世界を「現実界」と呼ぶ。

(石川伸晃 京都精華大学講師 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

想像界
そうぞうかい

象徴界」のページをご覧ください。

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