抽象的訴権説(読み)ちゅうしょうてきそけんせつ

世界大百科事典(旧版)内の抽象的訴権説の言及

【訴権】より

…最初に,デーゲンコルプH.Degenkolb(1832‐1909)らは,訴権とは訴えによって訴訟を開始させ,適式な審理の下に,なんらかの判決を求める権利である,と唱えた。ここにいう判決の中には,本案判決はもちろん,実質審理に入らず訴えを不適法として却下する判決(訴訟判決)も含まれるので,抽象的訴権説と呼ばれた。これに対しては,訴えが提起された以上,裁判所はなんらかの応答を強いられるのは当然であり,同説は結局起訴の自由を述べたにすぎず,かかる自由をもって公権ということはできないとするコーラーJ.Kohler(1849‐1919)らの批判を招いた(訴権否定説。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」