世界大百科事典(旧版)内の掛幅の言及
【掛物】より
…掛軸また掛幅(かけふく)ともいい,裂(きれ)や紙で表装(ひようそう)し,床の間に掛けるようにした絵または書をいう。その起源は中国北宋からで,〈挂軸〉の名で現れる。…
【仏画】より
…一方,《当麻曼荼羅》や〈仏涅槃図〉など集合尊の多い変相系の仏画の画面は横に広がり,鎌倉時代になると何幅かを一組にすることによって,説話内容を表現することが行われた。掛幅形式は,展示,保存,収納などに優れた機能性を有するため,信仰の対象として一般に普及した。(6)巻子 立体的に懸ける懸幅に対して,平面的において巻きながら見る巻子は,当初はもっぱら経巻に用いられたが,紺紙金泥の装飾経が流行するにつれて,経巻の見返しにも仏画が描かれるようになり,《中尊寺経》《平家納経》,ひいては経典や寺院縁起,仏伝や祖師絵伝などを絵画化する絵巻が現れ,密教の発達に伴い,曼荼羅など各種図像の白描図巻も制作されるようになる。…
※「掛幅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」