擬態者(読み)ぎたいしゃ

世界大百科事典(旧版)内の擬態者の言及

【擬態】より


[標識的擬態mimicry]
 わざと目だつことによって利益を得るもので,これはさらにベーツ型擬態,ミュラー型擬態,攻撃擬態の三つに分けられる。ベーツ型擬態は,本来まずくない動物がまずい味や毒をもつ別の動物(モデル)に外見だけを似せることによって外敵から免れるもので,まねをしている動物は擬態者mimicと呼ばれる。ベーツ型擬態はとくに昆虫で多く見られ,カバマダラ(毒をもつ)に擬態するメスアカムラサキの雌,ジャコウアゲハ(毒をもつ)に擬態するオナガアゲハやアゲハモドキ,まずい汁を出すテントウムシに擬態して昼間動きまわる東南アジアのゴキブリの仲間,毒針をもつハチ類によく似たスカシバガやトラカミキリの仲間などがこれにあたる。…

※「擬態者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」