世界大百科事典(旧版)内の政所賦銘引付の言及
【蜷川親元日記】より
…応仁の大乱をはさむ時期にあたり,激動の時期の社会や政治を考える資料として貴重である。政所代とは政所執事伊勢氏の代官という意味であるが,政所の政務処理の過程で作られた〈政所内評定記録〉〈政所賦銘引付(くばりめいひきつけ)〉の2書も,江戸時代以降日記といっしょに流布していたため,明治になって《文科大学史誌叢書》として翻刻された際には別録として収められた。職務柄,将軍側近の動向,守護との交渉,所領の支配など内容は豊富である。…
【引付】より
…様式的には,たとえば《東寺百合文書》の〈廿一口方供僧評定(にじゆういつくかたぐそうひようじよう)引付〉は,東寺寺内の供僧の自治組織のひとつ〈廿一口方〉において開催された評定の記録であるが,年預の僧が執筆し,評定出席僧の交名(きようみよう)を掲げ,当日の議事を記載している。また室町幕府の〈政所賦銘(まんどころくばりめい)引付〉は,政所へ提訴された訴訟について,担当者が受理した訴状を書き留め,訴状に加えられた銘(端裏銘)と同文の記事を引付に記載している。さらに興福寺の〈御挙状等執筆(ごきよじようとうしゆひつ)引付〉は,興福寺から訴え出た訴状の挙達,および僧事の補任推挙に関する挙状を書き留めたものである。…
※「政所賦銘引付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」