世界大百科事典(旧版)内の散逸最小の言及
【変分原理】より
…すなわち外力Xによって系は熱平衡状態からはずれ,一般的に流れJを生じ非平衡定常状態となるが,そこでは絶えず一定の割合で系のエネルギーが消費されて外力からのエネルギー供給とバランスが保たれる。J=LXのような一次関係が成立する線形散逸系に対し,この関係式は〈散逸最小〉と呼ばれる変分原理, Ṡ(J)-Φ(J,J)=最大の帰結であることがL.オンサーガーにより述べられた(1931)。ここでṠ(J)は外力のため平衡状態からはずれたことによる系のエントロピー増大率,Φ(J,J)はエネルギー散逸の度を表す散逸関数であり,それぞれJの一次および二次の形式(一般にJが空間変数の関数であれば汎関数)である。…
※「散逸最小」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」