世界大百科事典(旧版)内の文化譜の言及
【三味線】より
…ただし,公刊された楽譜は地歌に多く,近代にいたって長唄などでも公刊譜が出されるようになったが,享受者の少ない種目・流派では,演奏者それぞれが独自の記譜法で,心覚えとして記録しているにすぎない。地歌の公刊譜にしてもその集成書別に異なる記譜法であったが,現在では家庭式三味線譜といわれるものが普及し,長唄,小唄などでは文化譜といわれるものが普及している。これらの勘所譜とは別に,擬声的表現である口三味線で,その旋律を口でいうことも行われ,スクイなどの奏法と使用弦や開放弦であるかどうかなどが弁別できるため,心覚えとして記録されることもあり,不完全ながら一種の楽譜としても利用される。…
※「文化譜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」