新従属論(読み)しんじゅうぞくろん

世界大百科事典(旧版)内の新従属論の言及

【国際経済学】より

…それとともに,先進国に主導されてきたこれまでの国際秩序にかわって,小国も大国と同等の権利をもつという国際的民主主義の原理を体現する新国際経済秩序(NIEO)の理念が新たな問題領域を形成するようになった。このような“歴史なき民族”の現代舞台へのめざましい登場とともに,この学派は単線的発展史観を修正し,世界経済の重層的展開史を重視する新従属論(R.プレビッシュの従属論と区別された意味をもつ)を生み出している。エジプトの経済学者アミンSamir Amin(1931‐ )がその中心を占める。…

【産業革命】より


【産業革命論の変遷】
 〈産業革命〉という言葉そのものは,K.マルクスやフランスのA.deトックビルらによっても用いられたが,厳密な学術用語としては,1880年代になってイギリスの社会改良家A.トインビーによって確立させられた。トインビーは,ケンブリッジで教鞭をとるかたわら,ロンドンのイースト・エンドなどのスラム改良に活躍した人物で,今もトインビー・ホールにその名をとどめている。彼にとって〈産業革命〉とは,18世紀後半,つまりジョージ3世登位以降,19世紀前半までのイギリスが,生産活動の機械化・動力化,工場制の普及,その結果としての工業都市の成立,産業資本家層と工場労働者の階層の勃興など,農村社会から資本主義的工業社会へ〈急激に〉大転換を遂げたことを意味した。…

【マルクス主義】より

…マルクスとエンゲルスの密接な協力のなかから生まれた思想であり,そもそも近代ブルジョア社会の内在的批判とその克服を目的とする。しかしその影響力はたんなるブルジョア社会批判の枠をこえて,19世紀の最後の四半世紀から現代にいたるまで世界の革命運動のなかで主導的役割を果たしてきた。ときにはレーニンの思想(レーニン主義)と機械的に結びつけて,〈マルクス=レーニン主義〉といわれることもあるが,ここでは固有のマルクス主義に限定して述べることとする。…

※「新従属論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」