日本比較文学会(読み)にほんひかくぶんがくかい

世界大百科事典(旧版)内の日本比較文学会の言及

【比較文学】より


[日本の比較文学]
 日本における比較文学の紹介は,1890年ごろ坪内逍遥によって始められ,その後,上田敏,厨川(くりやがわ)白村,矢野峰人らに引き継がれて進んだが,本格的,専門的な学問分野として確立されたのは,ようやく第2次大戦後のことといえる。1948年〈日本比較文学会〉が発足し,さらに53年には最初の専門的研究教育機関として東京大学大学院に〈比較文学・比較文化課程〉が創設され,島田謹二らを中心に盛んな活動が始まった。当初は,フランス実証学派の方法論を踏襲して,おもに西欧文学の近代日本における受容,影響の分野で多くの成果を挙げたが,やがて60年代から70年代に入ると,アメリカ派の方法論などの刺激も受けて急速に研究の視野は拡大し,外国に出た日本人また逆に日本に来た外国人の異文化体験の研究,美術・思想・風俗などの領域での比較文化的研究,明治以前の日本と西欧の接触の研究,中国・朝鮮などアジア諸国との交流の研究など続々と新分野が開発された。…

※「日本比較文学会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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