世界大百科事典(旧版)内の日本海要素の言及
【植物相】より
…また,弥生時代に稲作農業が日本でも開始されるとともに,大規模な人間による森林破壊が始まり,低地の自然林はほぼ消滅し,丘陵部にもアカマツ,コナラを主とする二次林が広がった。 このような植物相の移動が,地史的時間スケールでは繰り返されたが,日本列島の植物相の中心となるブナ林やそれに結びつく温帯系の植物群は,この変遷のなかでも日本列島域に生き続けただけでなく,日本海側の多雪地帯では,特殊な多雪条件に適応した植物群(日本海要素ともいい,ユキツバキ,ヒメアオキ,チャボガヤなど多い)を分化させた。また地理的な隔離によって形成されたと推定される地方固有種を分化させた群もあるし,農耕地に急速に分布を拡大しながら,地方的な変異を起こし分化していったと考えられる,日本特産の低地二倍体タンポポのようなものもある。…
※「日本海要素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」