明治民法(読み)めいじみんぽう

世界大百科事典(旧版)内の明治民法の言及

【家族制度】より

…しかし,その際には,往々にして,深刻な政治的・心理的抵抗を伴うものである。以上,家族制度一般について述べたが,日本において家族制度という場合,1898年(明治31)に公布された民法(明治民法)に規定された〈家〉制度を指すことが多い。次に,これについて述べる。…

【家族法】より

…ボアソナードが中心となって起草した旧民法は,一度公布をされながら,〈民法出デテ忠孝亡ブ〉(穂積八束)というような攻撃を受けて,施行が延期され,別の新たな民法がつくられて1898年から施行された。 この明治民法では,戸主権と長男単独相続の家督相続とに支えられた戸主を家長とする〈家〉の制度がとられていた。これは家族制度(家族の制度一般という広い意味ではなく,明治民法におけるように戸主権という家長権で家長が家族員を支配するという狭い意味で用いたもの),あるいは家制度と呼ばれる。…

【旧民法】より

…現行民法である1947年の民法は,1898年の民法(親族・相続の2編)を全面的に改正し,これに伴い1896年の民法(総則・物権・債権の3編)も,部分的な,しかし原理的な改正を受けた。したがって,96年・98年の民法は,現行民法と区別する意味で,明治民法と俗称されている。もっとも,現行民法からみて,98年の民法を旧民法と呼ぶこともあるから注意を要する。…

【戸籍】より

…(2)1898年の戸籍法 法典論争により,1890年民法(いわゆる旧民法)は施行が延期され,93年に設置された法典調査会が新たに民法を編纂した。その結果98年に公布・施行された民法(いわゆる明治民法)の親族編,相続編は,〈家〉制度を中心として構成されていた。〈家〉制度は,戸主権と家督相続を要素とするが,それは1871年の戸籍法の運用過程において,戸籍上の手続として積み重ねられてきた親族的身分関係の諸規制を,民法上の制度として再編成したものにほかならない。…

※「明治民法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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