景容ぜりふ(読み)けいようぜりふ

世界大百科事典(旧版)内の景容ぜりふの言及

【つらね】より

…やがて一連ねのせりふを2人以上で分けていう〈割りぜりふ〉〈渡りぜりふ〉も〈つらね〉の変形として発展した。また初世桜田治助,初世並木五瓶,4世鶴屋南北などの長ぜりふのうちに,景容(けいよう)ぜりふといわれるものが多くみられ,たとえば南北の《絵本合法衢(えほんがつぽうがつじ)》でうんざりお松が,京の歓楽郷を経めぐってきた自己の閲歴を述べたてる町づくしの長ぜりふなどがそれである。美文調のせりふをリズミカルに言いまわす景容ぜりふも,世話狂言における〈つらね〉の一種とみることができ,これらが3世瀬川如皐,河竹黙阿弥に至ってさらに巧緻に美文化され,たとえば黙阿弥の《三人吉三》の〈月も朧(おぼろ)に白魚の……〉といった,いわゆる厄払い風のせりふまで〈つらね〉というようになった。…

※「景容ぜりふ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android