曲線救国(読み)きょくせんきゅうこく

世界大百科事典(旧版)内の曲線救国の言及

【中国国民党】より

… この年の10月,武漢が日本軍に占領され,重慶に中央党部を移して以後,国民党は再び抗日に消極的,反共に積極的となり,蔣介石ら中央党部は,39年以後,国民政府に〈異党活動制限法〉などを公布せしめて共産党の活動を制限,さらに数次にわたって武力攻撃をかけるにいたった。この間,汪兆銘ら党内親日派は公然と日本の侵略を擁護するにいたり,40年3月,南京で日本の傀儡(かいらい)政府=〈国民政府〉を成立させ,さらに国民党投降部隊を改編して〈平和建国軍〉をつくり,日本軍に協力したが,汪兆銘政権を〈偽組織〉とした国民党も,一方で〈抗日〉をかかげつつ,他方,一部の軍隊・官員を日本に投降させ,日本軍とともに抗日根拠地攻撃に当たらせ,これを〈曲線救国〉と称した。国民参政会には,41年以後共産党は国民党の反共政策に抗議して出席を拒否,43年蔣介石は《中国の命運》を著してその反共主義を公然と宣伝し,国民党の共産党との合作は,ほとんど名目のみになっていった。…

※「曲線救国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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