世界大百科事典(旧版)内の本格的探偵小説の言及
【推理小説】より
…〈探偵小説〉の定義としては,例えばD.L.セーヤーズの〈犯罪とその捜査を取り扱った小説のうち,なぞの設定とその解決が,もっぱら論理的操作によってのみ行われるもの〉(1928)という手本がある。しかし,当時からこの種の作品を〈本格的探偵小説〉と呼び,〈探偵小説〉はもっと広いもの,例えば論理的操作がほとんど欠けている小説やもっぱら行動とスリルだけの小説,あるいは,プロとアマを問わず探偵が登場するすべての小説などをも含むと考える立場があった。 第2次世界大戦前の日本においては,〈探偵小説〉の語がほぼ独占的に用いられ,〈推理小説〉の語はほとんど見られなかった。…
※「本格的探偵小説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」