世界大百科事典(旧版)内の本生図の言及
【玉虫厨子】より
…絵画は浄土図,須弥山図,仏供養図が須弥座腰板,宮殿背面に描かれ,扉には菩薩や天部の立像が描かれている。そして須弥座両側面に描かれた〈捨身飼虎(しやしんしこ)〉〈施身聞偈(せしんもんげ)〉の本生図は,異時同図法によって描かれた日本最古の説話画である。これらの絵画はいずれも仏法への献身をあらわし,この厨子製作の背景に,ようやく定着しつつあった仏教への深い傾倒がうかがえる。…
【仏画】より
…堂,塔などの建造物に描いた荘厳画(しようごんが)に始まり,のちに教化のための信仰礼拝用の仏画が描かれるようになる。インドでは前2世紀以降,バールフットやサーンチーのストゥーパstūpa(塔)の門や欄楯(らんじゆん)に本生図(ジャータカjātaka。釈尊前世の修行物語)や仏伝図(釈尊の一代記)などが緻密に浮彫されており,これらは仏像出現以後もガンダーラやアマラーバティーなどの彫刻にもみられ,中央アジアをへて雲岡石窟にまで及んでいる。…
【仏伝図】より
…中国では本行経変(ほんぎようきようへん)ともいう。釈迦の前生の物語の絵画化である本生図,仏弟子や敬虔な信者の過去および現在の物語に取材する譬喩(ひゆ)物語(アバダーナavadāna)図,大乗仏教経典の内容を図示した変相図(大乗経変)とともに,仏教説話図を構成する。インドでストゥーパを荘厳(しようごん)するために欄楯(らんじゆん)や門に本生図とともに表現したことにはじまり,バールフットやサーンチー第1塔のそれが最初期の代表作である。…
※「本生図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」