世界大百科事典(旧版)内の《本草拾遺》の言及
【スッポン(鼈)】より
…中国には上古からスッポンを食う習俗があり,唐代にはこれが盛んになった。スッポンとヒユの食合せを最悪とする観念もその間に生まれたもので,唐の陳蔵器の《本草拾遺》には,スッポンの肉を細かく切ってヒユの葉とまぜ,水のあるところに置くとそれが生きたスッポンになるとしている。すなわち,スッポンとヒユを合食すると,その肉が生きたスッポンになり,腹を食いやぶって外へ出ようとするので,人が死ぬというのであった。…
【本草学】より
… しかし,このような大著は一般の臨床医家が使うには不便であるし,他方どんなに大きな書でも薬物についてのすべての情報を収載することは不可能である。そこで,これらの書にもれたものを補うための《本草拾遺》(739,陳蔵器撰),《本草綱目拾遺》(1800ころ,趙学敏撰)とか食事療法に重点を置いた《食療本草》(700ころ,孟詵撰),薬効原理をまとめた《湯液本草》(1248,王好古撰),実用を主眼とした《本草蒙筌》(1565,陳嘉謨撰),《本草備要》(1682ころ,汪昂撰)など,小型ではあるが使用目的を明確にした本草書が作られた。 中国は歴史もきわめて古く,国土も広大である。…
※「《本草拾遺》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」