世界大百科事典(旧版)内の条件説の言及
【因果関係】より
…条件関係は,自然科学法則に従って行為から結果が生じたという自然的・事実的因果関係であるから,自然科学法則が未確定の場合には因果関係を肯定しえないという見解もあるが,上述のように,自然科学法則は,裁判所が条件関係を認定するための経験則なのであるから,裁判所が正当と信ずる自然科学法則を採用することについての,このような制約は存しないと考えるべきである。 条件関係だけで刑法上の因果関係を肯定しうるとする説を条件説という。しかし,条件説によるなら,雷に打たれて死ぬことを期待して被害者に山に行くことを勧めたら,ほんとうに落雷で彼が死亡してしまったという場合にも殺人罪を,また,被害者に暴行を加えたところ,彼には心臓病があったため死亡してしまったという場合についても傷害致死罪(205条)を認めざるをえなくなる,として,相当因果関係説が判例・学説上とられている。…
※「条件説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」