世界大百科事典(旧版)内の《東への道》の言及
【ギッシュ】より
…15年,危地におちる南部の名家の令嬢を演じた《国民の創生》の大ヒットで彼女の名も世界的に有名になり,《イントレランス》(1916)では四つのエピソードをつなぐかなめとなる揺籃をゆする象徴的な母のイメージを演じた。《散り行く花》(1919)では〈白いつぼみ〉と呼ばれるかれんな貧しい少女を,《東への道》(1920)では心ない中傷に悩まされる薄幸な娘を演じた。とくに後者の流氷とともに滝に向かって流されるクライマックスは名高く,またフランス革命の嵐の中で残酷な運命にもてあそばれる姉妹役でドロシーと共演した《嵐の孤児》(1921)ではギロチンで処刑されそうになる。…
【グリフィス】より
…ルネ・クレールは〈映画芸術は,グリフィス以後なんらの本質的なものを付け加えていない〉とまでいったほどである。 しかし,莫大な製作費を注ぎこんだ《イントレランス》が興行的に失敗した後のグリフィスは,リリアン・ギッシュをヒロインにした《散り行く花》(1919)や《東への道》(1920)が評価されたにすぎず,初のトーキー《世界の英雄》(1930)に続く《苦闘》(1931)を最後に映画界を退かざるを得なかった。《散り行く花》をトーキーで再映画化する企画も実現しなかった。…
※「《東への道》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」