世界大百科事典(旧版)内の東海1号炉の言及
【核燃料】より
…冷却材の温度を高めるためと高速中性子の吸収はあまり物質によらないことからステンレス鋼が採用され,また出力密度を高めてもペレットの温度があまり上がらぬように,燃料棒の直径は約6mmと軽水炉にくらべて非常に細い。イギリスで開発され,日本でも1基稼働している黒鉛減速炭酸ガス冷却炉(東海1号炉)では,心材として金属ウランを使用している。照射によるスエリングswelling(照射中に体積が膨張する現象)を防止するため,金属ウランに鉄などを少量添加して溶解鋳造した円筒状のものを異方性をなくすよう熱処理し,これにマグノックスというマグネシウム合金の被覆をかぶせ,さらに心材との密着性を良くするように外部から加圧する。…
【原子力】より
…60年臨界となった第2の研究炉JRR‐2もアメリカ製であったが,国産炉の開発も進められ,天然ウラン燃料・重水減速型の国産1号炉(JRR‐3)が62年9月に臨界となった。 原子力発電の実用化は,日本原子力発電(株)の手による東海1号炉の完成に始まる。当初,日本原子力研究所の試験用発電炉を経たのち電気事業者による実用炉へ進むということが基本方針とされていたが,原子力発電はすでに実用化時期に近づいているとの見通しが55年ころから国際的に喧伝されていたこともあって,原子力発電推進体制を早期に決める必要性に迫られた。…
【黒鉛】より
…原子炉用の黒鉛はホウ素など中性子吸収の多い不純物をとくに少なくするように製造されている。 黒鉛を多量に使用する現用の発電用原子炉としては,日本には日本最初の発電炉である東海1号炉(コールダー・ホール型炉)がある。これはイギリスで開発されたもので,天然ウラン金属燃料をマグノックスという合金で被覆し,黒鉛のスリーブをかぶせた燃料体を正六角形断面の黒鉛ブリックを積み重ねて構成した炉心に入れ,炭酸ガスで冷却している。…
※「東海1号炉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」