朝日日本歴史人物事典 「林宗二」の解説
林宗二
生年:明応7(1498)
戦国・安土桃山時代の商人,学者。14世紀に来日した中国人林浄因の後裔。一般に饅頭屋宗二として知られる。字は桂室,号は林逸,方生斎。饅頭屋の屋号が示すように饅頭を商う京都の商家に生まれ,当時の町衆の多くがそうであったように堂上公家から歌学,学問を熱心に学んだ。特に清原宣賢,吉田兼右から学問,文学の伝授を受けた。歌学,『源氏物語』には深く傾倒したようで,のち奈良に移り,肖柏から受けた『古今集』の伝授を行い,いわゆる奈良伝授となった。『源氏物語林逸抄』の著があり,『饅頭屋本節用集』の編者とされる。
(森谷尅久)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報