世界大百科事典(旧版)内の核上性脳神経麻痺の言及
【運動麻痺】より
…これらの脳神経に属する下位運動ニューロンや,それによって支配されている骨格筋に損傷を生ずると,眼球が動かなくなって斜視や複視を生じたり,まぶたが垂れ下がったりするような外眼筋麻痺,咀嚼(そしやく)筋の麻痺,顔面筋麻痺,発声,発語,嚥下運動の麻痺,胸鎖乳突筋や僧帽筋の麻痺などを生ずる。これらの脳神経領域の随意運動も大脳皮質の上位運動ニューロンによって支配されているため,これが損傷を受けるとやはり脳神経領域の運動麻痺が生ずるが,そのような場合は核上性脳神経麻痺と呼ばれている。また三叉,顔面,迷走,舌下神経などの下部脳神経が広範囲にわたって侵され,発声,発語,嚥下,咀嚼,表情の麻痺をおこした状態は球麻痺bulbar palsyと呼ばれるが,これと同様の症状が上位運動ニューロンの損傷で生じたものは仮性球麻痺といわれる。…
※「核上性脳神経麻痺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」