世界大百科事典(旧版)内の植民地資本主義説の言及
【植民地】より
…そこからは,伝統的経済をひとしく封建制とみなしてその残存を低開発の主要因と考え,ウェスタン・インパクトの農村部への伝播こそが発展を生みだすとする〈近代化〉論的開発政策が導きだされた。(2)植民地資本主義説 二重社会論的視角は,ヨーロッパ的近代化を普遍的モデルとする〈単線的発展史観〉であるがゆえに誤りであるとし,むしろ低開発は,16世紀以来膨張過程に入った世界資本主義システムへの従属的統合によって生みだされたとする批判が,ラテン・アメリカ従属論の代表的論客であるフランクAndre Gunder Frankによってなされた。しかしフランクは,流通面における統合から短絡的にラテン・アメリカ内部の資本主義化を結論づけてしまった。…
※「植民地資本主義説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」