《楽園のこちら側》(読み)らくえんのこちらがわ

世界大百科事典(旧版)内の《楽園のこちら側》の言及

【ジャズ・エージ】より

…とにかくこの時代は,禁欲と勤倹を尊ぶピューリタンの伝統が,史上初めてまっこうから挑戦され,勤倹に代わって消費,禁欲に代わって享楽が,新しい価値となった時代であった。フィッツジェラルドの前記短編集や長編《楽園のこちら側》(1920),そしてヘミングウェーの《陽はまた昇る》(1926)などは,この時代の享楽的でシニカルな若者たちの,典型的な生態を描いている。30年代の不況時代を迎えて,この浮かれ気分は消滅したが,以後なにかにつけて,アメリカ人の胸のなかに宿るノスタルジーとして,この時代のことが懐かしく思い出されるらしいのは興味深い。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」