世界大百科事典(旧版)内の楽津の言及
【楽市令】より
…このようにあらゆる権力の支配,社会の規制から自由であることを社会的に承認されていた楽市場は,中世の自由都市,自治都市成立の原点を占める存在であり,当時十楽(極楽)の津(港)と呼ばれた伊勢桑名は,自治都市として権力の支配を拒否していた。事実,中世の自由都市,自治都市を代表する堺や博多も楽市ないしは楽津と呼ばれる存在であったことは,1587年豊臣秀吉が博多に出した法令が,楽市という言葉はないものの,その内容はまったく保証型楽市令と同じものであったことからも確認される。ところで,このような権力と無縁の存在である楽市場が,その機能を楽市令というかたちで権力に保証されたり,さらに権力によって利用されたりするということは,すでに本来の楽市としての性格を放棄したことを意味する。…
※「楽津」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」