樹皮繊維(読み)じゅひせんい

世界大百科事典(旧版)内の樹皮繊維の言及

【織物】より


【素材】
 各民族の間に交通が開け,より高い文化が伝わり,人知が進むまで,織物繊維はごく限られた身近にあるものの加工に頼らねばならなかった。平地が少なく植物の繁茂する日本のような地理的条件のもとでは,はじめは野生のコウゾ(楮),カジノキ(榖),クズ(葛),ヤマフジ(山藤),シナノキ(科)などの樹皮繊維が利用され,その後自生のチョマ(苧麻)やタイマ(大麻)の類が栽培されて,麻布が織られるようになったと考えられる。近年まで一部の地方では樹皮繊維で織物が作られて衣料となっていたし,現在もわずかながら榀布(しなぬの)は新潟県山北町大字雷や山形県温海町関川などで,葛布は静岡県掛川で織られている。…

※「樹皮繊維」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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