世界大百科事典(旧版)内の機械論的自然観の言及
【自然】より
…すなわち自然を人間とは独立無縁な対立者としてこれを客観化し,この純粋な他者を,外からさまざまな操作を加えて量的に分析し,そこに〈法則〉を確立して,これを把握し利用しようとするのである。そこには自然から人間的要素としての色やにおいなどの〈第二性質〉や〈目的意識〉などが追放され,もっぱらこれを〈大きさ〉〈形〉〈運動〉などの自然自身の要素に分解して因果的,数学的に解析していく近代の機械論的自然観(機械論)が成立することになる。これを徹底的に遂行したのがデカルトである。…
【西洋哲学】より
…
【哲学と反哲学】
このように伝統的な西洋哲学を支えてきた基本的概念群は例外なく,プラトンにはじまる形而上学的思考様式の枠組みのなかで形成されてきたものである。この形而上学のもとで自然を単なる無機的物質と見る自然観が可能となり,その上に立ってはじめて機械論的自然観(機械論)も成立したのである。言うまでもなく,この機械論的自然観なくしては近代の科学知や科学技術も成立しえなかったであろう。…
【物理学】より
…ルネサンス後期から近代初期の自然学者の多くがこの二つの課題に取り組んだが,ケプラー,ガリレイ,デカルト,ニュートンらの仕事がそれに当たる。原子論
[機械論的自然観の成立]
近代的な状況のなかで現れた重要な論点を列挙しておこう。第1には,天上界と月下界の区別の崩壊である。…
※「機械論的自然観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」